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市民運動を見て

 世の中には色々な運動をしている人がいる。戦争反対という大掛かりなものから始まり、原子力発電所のことや、ダイオキシンのことまで非常に多いですが、最近になっておかしいな、と思うようになってきた。それは、住民が行政に頼りすぎることである。
 例えば、身近なダイオキシン問題について話をしようと思う。住民はよく「ダイオキシンを排出する量を減らせ」という。あげくの果てには、焼却所自体のことまで話を大きくしている場面も見られる。しかし、果たしてそれだけなのだろうか。何か根本的な問題をそのままにしているような気がするのだ。
 その根本的な問題とは、ゴミ問題のことである。ゴミを出す量を減らすことが出来れば、当然、燃やす量を減ることになる。そうすれば、排出されるダイオキシンの量も、自然と減らせるはずなのだ。それなのに、住民は行政にすべてを任せ、要望に沿わない結果になると文句をいう。実にわがままな住民だと、私は思っている。
 この問題を解決する方法として私が提案するのは、ゴミを減らすことに重点をおき、それによる結果としてダイオキシンを減らすということだ。まず町内会クラスの規模でゴミを徹底的に分別し、それを1ヶ月間続ける。そして分別したゴミすべてを行政に見てもらい、「分別すればゴミはここまで減らすことが出来る」というのを住民側で示していくのだ。そうすれば、行政側も何らかの対策を講じていくのではないだろうか。こうした住民の協力が自治体の運営にも反映し、よりよい生活が出来るようになると思う。
 原子力発電所の問題にしても、電気を使う量をどれだけ減らすことが出来るかが発電所建設の抑制につながると思うのだ。
 市民運動というのはすごく大事なことだと思う。しかし、何でも行政に言えばいいというものでもないとも思う。自分たちでどこまで出来るのか、そういう努力をする必要があるのではないだろうか。